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吉越 章隆; 寺岡 有殿
Applied Surface Science, 190(1-4), p.60 - 65, 2002/05
被引用回数:10 パーセンタイル:47.9(Chemistry, Physical)放射光光電子分光法による「実時間」その場観察技術を開発し、その手法を用いて超音速酸素分子線照射下で起こるSi(001)表面の酸素化学吸着過程を調べたので上記国際会議にて報告する。超音速分子線は、反応分子の並進運動エネルギーが制御された分子線であるため、表面化学反応の動的過程を明らかにできるとともに、化学反応制御における新しいパラメータを探索することができる。本研究は、SPring-8の原研軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応分析装置にて行った。BL23Uにて得られる高分解能放射光を用いた光電子分光法によって、初めて「実時間」で酸化状態を区別しながら、しかも並進運動エネルギーによる違いをその場観察できた。本研究の進展は、原子レベルで表面化学反応解析を可能とし、半導体微細加工あるいは量子効果デバイス開発に大きく貢献すると期待できる。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Applied Surface Science, 190(1-4), p.75 - 79, 2002/05
被引用回数:12 パーセンタイル:53.16(Chemistry, Physical)Si表面の酸化を原子レベルで精密に制御することは、MOSFETのゲート酸化膜の製作にとって重要である。本研究では超音速分子線と放射光光電子分光を用いてO分子の並進運動エネルギーがSi(001)表面の初期酸化に与える影響を研究している。これまでに第一原理分子動力学計算で予測されていたO分子がSi(001)面上で解離吸着するときのエネルギー障壁を実験的に初めて検証した。1.0eVと2.6eVを境にしてSiの化学結合状態がO分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが高分解能光電子分光で確かめられた。さらにO-1sの光電子ピークが2つの成分から構成され、その成分強度比がO分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが新たに見いだされた。この事実はO原子の電子状態がその吸着サイトによって異なることを意味している。